「繁殖篇」 | leopard-gecko Den, by DomusKom

「繁殖篇」

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ヒョウモントカゲモドキの繁殖/蘊蓄


孵卵温度と孵化所要日数

爬虫類だから卵生である、ヒョウモントカゲモドキの孵化所要日数については論文がある。
出典は、Temperature- dependent sex determination in the Leopard gecko, Eublepharis macularius. BE Viets, A Tousignant, MA Ewert, CE Nelson, D Crews. J. Exp. Zoology 265: 679-683 (1993).だいたい摂氏25-32度で孵卵し、孵化する。摂氏26度-32.5度の間は、直線的に発生するというので、
必要日=213-(353/65)x摂氏温度
と いう関数に近似できることがわかる。例えば、摂氏29度(一定温度でずっと)で孵卵すると、55.5日と計算される。
19年間にわたるデータ収集で、上記関数にぴったり当てはまることを経験している。
産卵箱として以下の図のようなものにいれて、市販の簡易孵卵器かシート型ヒーターを下に敷いて加温するとよい:


; 100mmX50mm程度で、深さ50mm程度のプラスチックケース。あるいは、陶器のケース (=安定感あるが、卵が割れる危険あり;注意)。中に湿バーミキュライトを入れる。産卵間近い成メスのケースに入れる。この上に 載り湿気を感受しているこ とが多いので、成メスのケースには産卵に拘わらず入れていることが多い。

hatchling=孵化仔の管理

孵化仔は、「孵化後最初に餌を食べるまでこの世に生きたことにならない」と思う。それで、特に以下の点に注意し ている。1.親以上に暖め る。25度と言う「ぴたり適温」を敷くが、シェルター内は30度摂氏近いと思う。2.親以上に、湿度維持に努める。シェルターの加湿で(い じって)ストレス加えたくないので、外に、湿バーミ キュライトを入れた箱を常置。この箱の湿気に留意。3.飼育容器は、まず、餌との遭遇な どの点から・・小さい物がいいと思う。例えば市販の 30X10X10(=高さ)程度の蓋付きプラスチックケース。シェルターを設置。4.特に最初は、1個体ずつ。餌食いがわかる。ストレス予防。5. 最初の餌は、小さい物、頭の大きさ(縦X横)の1/2以下程度かな。ミールワームの令の早い物。大きいのは 切るとか。6.最初の脱皮まで食べないと思うので、その間、そっとしておく。7.leucisticなどでは、体内卵黄が特にはっきりわかる ので、それがあるうちは焦らない。でも、それが あるうちに「餌付け・・」が大切とも言える。


.winter-cooling=冬期の低温処理
処理した方がいいと思う。

しかし、しなくても繁殖するようだ。



まずオス、メスの判定について:体を持ってひっくり返すと尾に力がかかり自切するといやなので、蓋のある透明な プラスチックカップ(=店で運搬 用にくれる奴の大きいものを保存しておく)に入れて、人間が仰向けになって下から観察する。必要に応じて、蛍光灯スタンド、虫メガネを用意。
成体になるととても簡単。オスだと、preanal pore(=訳は、肛門前穴はたまた前肛孔・前肛穴、)と言われる、後ろ足のつけ根の真ん中を起点とし正中線で交わるV字型の「構造 物」がある。成体では何か分泌するらしく、分泌物に汚れが付着して穴が茶色に染まるのではっきり「前肛孔」が認められる。メスには、ない。こ れは、多くの Gecko(=例えば、ヒルヤモリでもはっきり)の性的特徴らしい。

尾の付け根のヘミペニスの膨らみでは、個体により様々で、あてにならない気がする。発情不十分なら、ペニスの出 来=膨ら みが悪いとか?!(=いくつかの雑誌では、ヘミペニス=ペニスの先が2つだから・・睾丸みたいに書いてあるが・・大嘘・・温度調節する変温= 外温=動物で は・・とても危険な?!・・外側にぶら下げる必要ない!)

成体になる前、何か分泌する前は、分かりにくい。生まれて1ヶ月でも、拡大鏡で観察すれば分かるとある・・ web- page、本、があるが・・・うーーーん。経験の足りない私には分からない。拡大すると、メスでも皮膚の「穴」はあるからなーー。同年代の個 体数匹の中か ら、最もオスらしいやつ、最もメスらしいやつ・・・というのは、分かると思うが。幼体・亜成体、1匹だけ差し出されて、「おす?めす?」と聞 かれるのは、非常にむずかしい。


性比が1:1と仮定して、幼体を買ってきた場合、ペアが取 れる確率を計算してみた。即ち、何個体購入するとペアである可能性は高くなるか。例えば、2個体買えば、50/50であるというのは自 明、これを拡張してみた。

(購買)個体数0ペアである%1ペア得られる%2ペア得られる%3ペア得られる%4ペア得られる%少なくとも1ペア得られる%
1 100 0 0 0 0 0
2 50 50 0 0 0 50
3 25 75 0 0 0 75
4 13 38 50 0 0 88
5 6 31 63 0 0 94
6 3 19 47 31 0 97
7 2 11 33 55 0 98
8 1 6 21 44 27 99

5個体以上買わないと・・5%程度の誤差で番がいない計算 になる。幼体は安いけど、ペア取りという点ではとてもリスキー。


性比決定

TSD=Temperature(-dependent) Sex Determination=温度(依存性)性決定という現 象が 爬虫類の 仲間にはある。というのは、孵卵温度によって雄か雌かになり易さがあるというのである。ヒョウモントカゲモドキもその例だという。タマオ ヤモリにはそのよ うな例はないという。Viets博士らは、500卵以上の合計でオスメス出現の頻度を実験した(=leopa_manual1998によ る)。以前とかな り変わっている気がする。それで、以下に抽出してみた。ヒョウモントカゲモドキでは、メスになるのが通常の発生過程で、ある特定の温度域 でのみオスが発生 するというのが自然界の摂理ともいえるかもしれない。

24C以下, 35C以上では、胚発生しないという。
26.0C:100%メス。
28.0C:98%以上メス。
29.0C:80%メス。
30.0C:70%メス。
30.5C:70%程度オス。
31.0C:82%程度オス。
32.0C:90%オス。
32.5C:73%程度オス。
34C:8%程度オス。
35C:5%程度オス。


温度依存性性決定は、興味深いので、学術論文(=誰かが勝 手に書い たものではなくて、投稿された文章をふつう複数人の審査員により掲載を決定する論文。主に研究機関で行われ、誰でも再現可能なように実験 方法などが書か れ、最後に引用した文献の一覧をつける)を検討することにした。

a.Embryonic tempeature determines adult sexuality in a reptile. WHN Gutzke, D Crews. Nature 332(28): 832-834 (1988).
これが、「豹紋蜥蜴擬参考書」の項に示した1990年本の種らしい。
26, 29, 32、各、度摂氏、の孵卵温度で得られたメスを使って実験した。その結果、32度摂氏で生まれたメスは、オスのような行動(=オスを当てても、交尾させな い)をして、おまけに実験した2年間に産卵しなかったという。
その原因は、高温での発生に異常があると考えて、組織検査したが、特にオスらしい組織形態は、得られなかった。しかし、高温メスは血流中 のアンドロゲンがかなり増加し、エストラジオールがオス程度にまで低下していた。
ホルモン異常が、この行動と産卵しない原因と結論。

b.Temperature-dependent sex determination in the Leopard gecko, Eublepharis macularius. BE Viets, A Tousignant, MA Ewert, CE Nelson, D Crews. J. Exp. Zoology 265: 679-683 (1993).
a.の論文(この業界では、Natureという英国の雑誌が権威がある!)を否定する速報という短い論文。再実験・あるいは追試の結果。
32度摂氏でもオスは、94パーセント。おまけに、それをピークにまたメスが発生することを発見した。しかも、その35度摂氏孵卵で生ま れたメスでも、繁殖することを発見。a.を完全に否定。紳士的に(=科学界の常識?)に、実験条件=ケージの違いかな?とやんわり。

c.Sex-determining mechanisms in squamate reptiles. BE Viets, MA Ewert, LG Talent, CE Nelson. J. Exp. Zoology 270: 45-56 (1994).
これは、原著論文ではなくて、総説=まとめ、という解説の類の論文。
b. のデータに付け加えて、表ができた。
これは、leopa_manual1998 に掲載されているものと全く同じ。
上記2.にまとめたものと一緒。

b.の論文のデータをグラフにしてみた。(著作権があると 思うので独自に書いた。)

このデータは、上記2.の元のデータの筈であるが、ちょっ と違う。この論文の時点では、28Cではオスが発生していないが、leopa_manual_1998には、オスが出現するように書かれ ている。

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